- コミュニケーションを円滑にする3つのルールがわかる
- カンファレンス・申し送りをスムーズにする方法がわかる
- 後輩と関わる時の注意点がわかる
- 自分で自分の職場を良くするメリットを知れる
助産師のひーちゃんと申します。
一緒に自分に合った働き方を見つけていきましょう♪
今回は、コミュニケーションを円滑にする3つのルールについてお伝えします。
3つのルールとは、
・否定禁止
「人は話し方が9割」 著者:永松茂久
・笑顔で頷く
・ポジティブ発言をする
3つのルールに沿って実際のコミュニケーションではどのように活用していくかを具体的にお伝えします。
こちらは書籍「人は話し方が9割 [ 永松茂久 ]
」を引用させていただいています。
こちらの書籍では、他にも人とコミュニケーションを取る上で大切なことがたくさん書かれているので興味を持った方は是非読んでみてください。
病棟で働いている看護師さんを例に進めていきますが、他の場所でも活用できるタイミングはたくさんあると思います♪
コミュニケーションにおける3つのルールの必要性
忙しい中でゆっくり申し送りをしていると「今は忙しいんだから早くして・・・」とイライラしてしてしまうことありませんか?
新人や後輩にとって厳しい先輩に申し送りをしたり、カンファレンスで発言をしたりすることは緊張をするもの。
緊張して思考が停止していては次に繋げることも難しいです。
後輩の成長を促すため・仕事をより効率的にするために先ほどの3つのルールを活用していただけたらと思います。
後輩の緊張を解くメリット
自分で考えて行動できるようになる
怖い先輩ばかりだと後輩たちは「先輩の顔色を見て行動する」ようになってしまいます。
「どうしたら怒られないか・何を言えば突っ込まれないか」といった考え方になってしまいがちです。
そうなると、深く考えることよりも、「怒られないため」の最低限の思考・行動になってしまいます。
私も新人の頃、怖い先輩がいて「どうしたら地雷を踏まないか」ばかり考えていました…
もっと自由に考えられる幅を広げてあげるのも先輩の役目。
のんびりしていたり、正しい答えが出ないとイライラしてしまいますよね・・・
短期的な視点ではなく長期的な視点で相手を見てみましょう。
自分の思ったことを伝えてもいいんだという環境を作ってあげることが大切です。
自分で考えて、素直な意見を言えるようになると成長のスピードも早くなります。
報告が早くなるので連携ミスが減る
報告することに対して、緊張してしまったり、怒られたらどうしよう…と考えてしまうと行動が遅くなることがあります。
このくらいのことで報告したら、いらないって言われるかな…
怒られるの怖いな…バレなければ大丈夫かな…
と、報告をためらったり、報告せずに隠したりしてしまう危険もあります。
いつでも報告や相談がしやすい関係性を作っておくことで、重要な報告が抜けてしまったり、遅くなってしまったりというリスクも減らせます。
スムーズな報告によって自分の業務も円滑に行えるため、仕事が効率的に行うことができます。
後輩を緊張させない3つのルールの内容
カンファレンス・申し送りでのルール3つ
- 否定禁止
- 笑顔で頷く
- ポジティブ発言をする
一つずつ詳しく解説していきます。
否定されないと発言に自信が持てる
- 否定禁止
否定をされることは誰でも嫌な気分になります。特にカンファレンスなど大勢の前ではなおさらです。
注意点は、全てを肯定する訳ではありません。
指導をする立場では、間違いを正すことが必要です。
間違った内容の場合、すぐに否定をするのではなく「どうしてそう考えたのか」を確認してから、間違いを訂正することがオススメです。
緊急の場面ではすぐに訂正をする必要があります。
その場合、落ち着いてから「なぜそのように考えたか」という認識の確認をして、フォローを入れておくことで信頼関係が積み上がります。
注意をするときのポイント
知識として明らかに間違っている場合は、人間ではなく事柄を訂正します。
性格や人間性を否定する言葉はオススメできません。
使わない方がいい言葉:
「そんなミスをするなんて人間として失格だよ」
「面倒見きれないよ」
「どんくさいな〜」
「まったく…親の顔が見てみたいよ」
こんなこと言う人本当にいるの?と思われるかもしれませんが、これは私が実際に言われた言葉です…
新人1年目の時でしたが、辛い言葉を言われたことは今でもはっきり覚えています。
これを経験して、自分は絶対に相手の人格を否定する言葉は言わないようにしようと思いました。
相手の意見に耳を傾ける
明らかに相手が悪いと感じても100%で意見を言うのではなく、少しでも相手に寄り添う気持ちを保つ事ができると自分も楽になります。
話し合いの場面では、100%一つの意見が正解ということは少ないです。
実際には難しいこと・もっと現実的な回答を求めていたとしても、否定をせずに「なぜそのように考えたのか」を確認してみましょう。
意見を丁寧に聞くことで、より深く考えられたり・アセスメントの力をつける事ができます。
否定をされなかったという経験が自信につながります。
ミスを伝えるときのオススメの方法
「いっつもできてないよね。ちゃんと勉強してる?」「そんなんだからミスするのよ」という曖昧な人間を否定する言葉は使用しないようにしましょう。
なんでこんなこともできないの?今何年め?
ただ過去を否定して「怒る」ことはオススメできません。
「私は間違っているんだ」「私はダメなんだ」と自信をなくしてしまうため、成長に悪影響となってしまいます。
注意をしていけないのではありません。
間違っていることを訂正してあげる・気づかせてあげることは必要です。
オススメの言葉
このミスは◯回目だよ。どうしたらいいと思う?
これまでのミスを「なんでできてないの?」と攻めても「ごめんなさい」と言うしかありません。
これからに目を向けて建設的な話し合いをしたほうが、お互いの精神的にも時間的にも無駄になりません。
具体的に「◯回ミスをしている」と伝えると、相手も自分のミスを客観的にみやすくなります。
笑顔で頷いてもらえると落ち着いて話せる
忙しいときに、記録を書きながら片手間に後輩の報告を聞いていませんか?
私も忙しいときに記録を書きながら話を聞いてしまった事があります。
また、
先輩に報告をするときに、目線を一切合わせずに「はい・・・はい・・・はい」と無表情で返されてしまうと、
この報告はしないほうがよかったかな。怒られないかな…
と、ビクビクしてしまいますよね。
笑顔で頷くことはお互いのために大切です。
- 目線を合わせることで話を聞いてもらえていると感じて真剣に話せる
- 笑顔で聞いてもらえると緊張感が和らぎ落ち着いて話せる
- 落ち着いて話せると内容も良くなる
「笑顔」「頷く」両方を意識して話を聞くようにしましょう。
ポジティブな発言をする
カンファレンスなどでは、グチを言ったり、ネガティブに話が進んでしまうこともあります。
そのようなときに「ポジティブな発言をする」ようにします。
ルールとして難しい場合は自分だけでもポジティブな発言を心がけます。
病棟での事例をお話ししてみようと思います。
産後のママについて話し合っているとき:
〇〇さんがぜんぜん現状を受け入れられていない…退院後の準備も何もしていないし、全く考えられていない
これからどうするんだろうね。なんでもっと考えないんだろう…
- 〇〇さんが今後のことを考えられていない
- 退院後の準備ができていない
このような「他人の現状を変えること」は自分ではできません。
〇〇さんの考えを変えるために働きかけをすることはできますが、実際に変えられるかはこちらの影響の輪の外なのでどうしようもありません。
この場合、〇〇さんへの働きかけもしますが、それ以上に自分達が影響させられることに集中して話し合いを進めていきます。
- 周りの家族に働きかける
- 地域の協力を得る
- 〇〇さんが理解しやすい指導案を考える
ネガティブな発言ばかりだと「なんでできないんだろう?」「どうしたら理解してくれるの?」と話も進まなくなってしまいますし、イライラにもつながりやすいです。
ネガティブな状況を無理にポジティブに捉えようというのではなく、どのような状況でも「何かできることはないかな?」とポジティブをみんなで見つけるような話し合いが理想的です。
「影響の輪」について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
忙しい時にオススメの対応方法
ルールが頭にあっても、忙しくて時間がないときは難しい場合もあると思います。
時間で区切る
目線を合わせて要件をまず聞いて、緊急の要件でなければこのように伝えます。
今忙しいから、何分後に話してほしいからまとめておいて。
新人はできるだけ丁寧に伝えようとしてしまいます。
最初から「今忙しいんだけどなに?」と怖い顔で、伝えてしまうと次から報告が苦痛になってしまいます。
そうすると、次から「忙しそうだから報告は後にしよう」と考えてしまい、「緊急時も報告ができない」につながる危険があります。
要件を確認する
要件を確認して、いつ聞くか・どのくらい時間をかけるか・自分が聞く必要があるかを判断します。
メリット:
- すぐに聞かなきゃいけないのかを判断できる
- 新人にとって報告したことを後悔させないことで次の適切な報告につなげる
- 緊急の要件でなければまとめておいてもらうことで、アセスメントをする機会を作れる
その場を効率良く回すことはメンバーが働きやすくするためには大切です。
しかし、一人一人に丁寧に対応して成長を促すこと・働きやすい環境作りをすることで、長期的な仕事の効率化をはかったり、長続きする職場を作る事ができます。
事前に話す内容を明確にしておく
私もこれまで申し送りの時間が長くなりがちな場面には何度も遭遇してきました。
事前に申し送る内容を明確にして全員で共有しておく事が重要です。
具体的な内容については、それぞれの職場で異なると思います。
より情報量が少なくても漏れなく申し送りができる体制を作っておきましょう。
例えば、
- 部屋番号のみで患者名・疾患名・手術名は言わない
- 記録に書いてあることは口頭で伝えない
- 口頭での申し送りをしなくても良い記録作りをする
内容を明確にしておくことで、「この子は申し送りが長くなっちゃうんだよな・・・」を減らす事ができます。
先輩も後輩もみんなが心地良く働ける職場を作り、自分や周りの人を幸せにしていきましょう。
ルール作りで重要なこと
一部の人しか話さない・話を振ってもなかなか意見が出ない話し合いを減らし、みんなの意見が大きな結果を生み出す場になるようにしていきましょう。
そのためには、参加する全員の心がけも重要なので、「否定しない・笑顔で頷く・ポジティブ発言をする」のルールを作ってみてはいかがでしょうか。
しかし、ルールを作るときの注意点があります。
ルールを周りに伝えても強要はしない
周りの人の考え方を変えることは難しいです。
ルールを作っても全員の気持ちをすぐに変えることはできないと最初から思っておくことが必要です。
- 自分の中で、自分に対してルールを作る
- 周りの人に伝えることで、興味を持ってもらえたらいいな程度で相手に伝える
- 自分は考え方・行動を変える
それをみた周りの人がどう動くかはその人次第です。
良い環境であれば、周りの人も自然と影響を受けて変わっていってくれることもあります。
自分の考え方や行動に集中していきましょう。必ずみている人・影響を受ける人はいるはずです。
まずは自分ができる、小いさなことから始めてみましょう♪
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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